急な咳を止めたいときのセルフメディケーション(頓用編)

咳き込んでしまって眠りづらい、日中の行動に支障が出てしまっている場合に、薬局でできるセルフメディケーションをご紹介します。以前「咳とセルフメディケーション」という形で一度咳についてご紹介しましたが、今回はどちらかというとどうしても止めたいといった場合に使う「頓用」としての咳止めについてご紹介します。

一般に、咳が出ているときは、異物を排出することができるので無理に止めず、マスクやハンカチを使ってやり過ごすことが望ましいです。厚生労働省も漫画「進撃の巨人」とコラボレーションして、正しい咳のエチケットについて啓発しています。→ https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/A2_5.pdf

一方で、どうしても咳き込んで辛い時や、夜眠るときに寝苦しいといった場合はそうも言っていられないこともあります。症状が緩和できずに体力を消耗してしまうと、仕事や学業のパフォーマンスを落としてしまうため、選択肢の一つとして知っていただけますと幸いです。なお、気管支喘息に関しては、耳鼻咽喉科に行ったほうが治りが早いです。喘息症状の場合はステロイドの吸入によって喘息症状を管理するのですが、薬局やドラッグストアではステロイドが入っている吸入剤を処方箋なしにはお渡しできないためです。

フスコデ配合錠

咳がひどいときの風邪で受信したときに処方されることがある咳止めです。1回2~3錠、1日3回までの範囲で使います。ジヒドロコデインリン酸塩とdl-メチルエフェドリン塩酸塩、クロルフェニラミンが入っています。ジヒドロコデインリン酸塩は咳中枢にはたらきかけて、咳を抑制することができます。dl-メチルエフェドリン塩酸塩は気管支を拡張して呼吸を楽にします。クロルフェニラミンはジヒドロコデインリン酸塩による便秘のなりやすさを抑えたり、鼻水を抑えたりすることができます。フスコデ配合錠を飲むと眠気が出ることがあります。3錠使うと、クロルフェニラミンでやや鎮静作用(眠気)が出やすいことはご留意いただきたいポイントです。手術をしていない緑内障の方や、前立腺肥大の方はクロルフェニラミン(抗ヒスタミン)やコデインが入っている医薬品の使用は控えたほうがよいので、フスコデ配合錠ではなく、メジコンやアスベリン、麦門冬湯の使用を検討します。

カフコデN配合錠

カフコデはフスコデと名前が似ていますが、入っている成分が異なります。ジヒドロコデインリン酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジプロフィリン、アセトアミノフェン、ブロモバレリル尿素が入っています。ジフェンヒドラミンはフスコデに入っているクロルフェニラミンと同じく、抗ヒスタミン作用(鼻水を止める)があります。ジプロフィリンは気管支を拡張する作用がありますが、医薬品単体では使われないので、補助的に添加されているレベルです。ブロモバレリル尿素は鎮静作用がありますが、要するに眠くなるだけです。アセトアミノフェンは110mg入っており(1錠あたり)、カフコデは1回2錠使うため、解熱鎮痛で使う500~600mgの濃度ではないため、こちらも補助的なレベルです。ただし、解熱鎮痛としてアセトアミノフェン(市販薬としてはタイレノールやパブロンに含まれています)を使っている場合、1回合計量を600mgを超えない範囲で使用するため、注意が必要です。咳も出て、熱も出て、という場合はカフコデも使用を検討しますが、役割をわかりやすくするために、フスコデとアセトアミノフェンを使ったほうがいいです。

リン酸コデイン錠(リンコデ)

上記2つの咳止めより強いですが薬物乱用を防ぐために、フスコデで十分と考えられる場合はフスコデをご提案します。咳き込んで辛い場合の、薬局でご提案できる咳止めの切り札です。咳中枢に作用して、咳を抑えてくれますが、便秘や依存からの退薬症状として頭痛、吐き気、めまいといった症状も考えられるため、使い方が難しいお薬でもあります。喘息発作中の見た目からして辛い方には残念ながら使うことはできません。気道を小さくする作用があるため、かえって症状が悪化することがあります。気管支が炎症を起こしてステロイド吸入が必要と思われる方は特有の咳をしますので、そのような方は耳鼻咽喉科にて、専門治療を受けたほうがよいです。繰り返しになりますが、咳喘息の場合は耳鼻科を受診勧奨、風邪が悪化して咳が辛い場合に今回のお薬たちをご提案という感じになります。

なお、気管支喘息の症状について、小児科さんのHPではありますが、わかりやすい解説があるため、CAPSクリニックさんの記事をご紹介します。

気管支喘息について(CAPSクリニックさんHP) → https://www.caps-clinic.jp/zensoku
通常の咳についての当サイトの記事 → https://xn--dck2asn4d6d1d6b3a1gue.com/archives/50

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