咳とセルフメディケーション

インフルエンザシーズンは毎年11月頃から流行り始めて、4月まで続きます。この時期の風邪は広がりやすいので、引き続き手洗いうがいマスク着用で予防を心がけましょう。今回はひどい咳でお困りの方にご提案できるお薬を紹介したいと思います。なお、今回から少しずつドラッグストアでも買える、市販されているお薬の紹介も交えていこうかと思います。まだまだ「零売」対応薬局が少ないため、なお、咳のほか、風邪っぽい症状には当サイトのページにお薬の解説がございますので、そちらも参考にしてください。

鼻水・鼻づまりとセルフメディケーション → https://xn--dck2asn4d6d1d6b3a1gue.com/archives/44
喉の痛みとセルフメディケーション → https://xn--dck2asn4d6d1d6b3a1gue.com/archives/41

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

喉が乾燥している感じがある咳だと使われます。また、咳をしたときに刺激感があればなお、麦門冬湯がよいでしょう。漢方の中ではかなり甘い部類です。お湯に溶いてゆっくり飲んでいただきたい漢方です。この漢方はドラッグストアでも比較的容易に手に入ります。薬剤師がいなくても買えます。急場をしのぐ薬として使いやすいので薬局長はよく漢方薬を使っています。

小柴胡湯(しょうさいことう)

風邪が長引いてしまって咳が続いている場合だと使われることがあります。どちらかというと湿った咳(ゲボゲボとした咳)によいです。カルボシステイン(ムコダイン)やアンブロキソール(ムコソルバン)といった痰切りのお薬を併用してもかまいません。この漢方はドラッグストアのラインナップにあるかどうか微妙な感じです。また、カルボシステインとアンブロキソールはドラッグストアでも比較的簡単に見つかります。エスタックやパブロンのいくつかの種類には含まれています。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

アレルギー性鼻炎でも使われる漢方です。痰がわりとサラサラで咳が出ている、というときに使います。味が独特です(すっぱい+甘い+にがい)。ドラッグストアでも比較的見かける漢方薬です。咳を止めるというよりどちらかというと咳の強さを弱めるという感じです。

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

すこし咳がヒューヒューと、気管支が狭くなっているような場合に使われます。気管支を広くして、痰を出しやすくして呼吸を楽にします。どちらかというと急性疾患で使います。こちらの漢方もドラッグストアで買えますが、ラインナップに入っているかどうかは微妙です。なお、薬を飲み始めて3~4週間経過しても長引く咳の場合はマイコプラズマ肺炎か、百日咳の疑いもあるので、受診勧奨対象です。マイコプラズマも百日咳も抗生剤を使った方がよいので、専門治療をお勧めいたします。咳が出ているときはどうすればいいのか、治療ガイドラインも呼吸器学会がガイドラインを発表しています。

呼吸器学会 咳嗽に関するガイドライン第2版 → http://www.jrs.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=57

アスベリン

咳をやわらげることができます。医師の処方だとメジコンかアスベリンが多い印象です。完全に咳を止めるわけではないです。なので、効いていないという印象を持ってしまう方もいらっしゃいます。たくさん咳をすると消耗してしまうため、症状緩和に使われます。カイゲンやルルアタックの一部に含まれています。似たような成分で、「アネトン咳止め顆粒」に含まれるリン酸コデインがあります。アネトンはドラッグストアでも比較的よく見かけます。また、後述する「テオフィリン」も含まれているので、咳症状を和らげるには、「アネトン咳止め顆粒」もよいでしょう。リン酸コデインを使う場合はちょっと便秘っぽくなることがあります。

テオドール(テオフィリン)

急性気管支喘息といったひどい咳にはテオドールが使われることがあります。ただし、こちらは「零売」では販売できません。過量に服用すると副作用が起きやすいため、使用には注意が必要です。ヒューヒューとした咳が出ている場合、症状によっては耳鼻咽喉科の先生に診てもらった方がはるかに早く治ります。そのような場合は吸入ステロイドを使うのですが、吸入ステロイドも零売することができないためです。なぜか市販の「アネトン咳止め顆粒」にはテオフィリンが入っており、喘息気味な咳にも使えるのですが、量は通常使う量の半分以下なので、過度に期待せず、ひどい喘息症状は専門治療に移行すべきです。なお、間違っても半分以下しか入っていないから2倍飲むことはしないでください。「アネトン咳止め顆粒」にはリン酸コデイン、クロルフェニラミン、メチルエフェドリンが入っており、こちらは普通の量なので、副作用が起きやすくなってしまいます。

ファモチジン

喉がひりついている場合、逆流性食道炎が原因で咳が出ていることがあります。ファモチジンで胃酸分泌を抑えると症状が軽快しやすいです。ドラッグストアではガスター10で販売されています。薬剤師がいないと買えないです。なお、ここで紹介しておいてなんですが、第一選択はPPIという胃酸分泌を抑えるお薬なので、症状からして胃が荒れていそうな場合は受診勧奨します。

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